法人における借入金とは?


借入金は、借用証書を発行したり、借用契約を結んだりして資金を調達する際の負債です。このうち、貸借対照表日の翌日から起算して返済期間が1年以内のものを短期借入金(流動負債)、返済期間が1年を超えるものを長期借入金(固定負債)と呼んでいます。

従来の中小企業向け融資では、通常、経営者による直接強制力のある保証が必要でした。中小企業のM&Aでは、対象企業の株主が金融機関に直接強制力のある保証を提供するケースがほとんどです。

譲渡会社の社債や連帯保証への対応は、M&Aにおいて非常に重要な問題です。理想的には、譲渡会社のオーナーはこの権利を買収会社に渡したいと考えていますが、買収会社の金融機関との関係を維持する必要があるため、譲渡会社としては軽視できません。

借り入れのメリットは何でしょうか?

まず、借り入れをするということは、借金が増えるということです。負債を増やすことで、企業はレバレッジをかけ、他者の資本を利用して自社の資本の何倍もの動きをすることができ、大きな取引を実現できる可能性が高まります。

レバレッジをかけることで、ROE(株主資本利益率)を高めることもできます。

株主資本利益率(ROE)は、企業が株主から預かった資本をどれだけ効率的に使って利益を出したかを示す指標で、「稼ぐ力」と「利益還元」の両方を考慮しているため、投資家から高い評価を得ています。

つまり、負債を増やすことで、企業の収益力と利益還元の両方を測るROE(株主資本利益率)を高めることができるというメリットがあるのです。

借り入れには、連帯保証と担保の差し入れが必要です。
一方で、レバレッジを高くすることのデメリットとして、金融機関からの借り入れの際に、何らかの担保や連帯保証が必要になることがあります。また、設備投資などの影響がすぐには現れない場合もあります。

また、利息や元金の支払いが決まった日に行われることもデメリットです。

借入は資本調達の1つの方法ですが、その他の資本調達の方法は以下の通りです。

増資」とは、新しい株式を発行することです。

新株を発行する最大のメリットは、会社が資本として調達した資金を返済する義務がないことです。特に、担保や信用力がなく、借り入れが困難な企業にとっては有効な手段となります。

一方、新株の発行には、新株を引き受ける株主の株主権が異なるというデメリットがあります。具体的には、株主自身の経済的利益に直結する「既得権」と、会社の経営に参画することを目的とした「公益権」の2種類があります。

新株式の発行は、企業経営にとって様々なリスクを伴います。新株発行による資金調達の必要性や、普通株式とは異なる種類株式の利用には、検討すべき専門知識が必要となるため、専門家に相談することをお勧めします。

現在保有している株式を売却するなどして、現金化したいと思うかもしれません。

これは、比較的迅速かつ容易に資金を調達し、既存の資産を実現する方法です。

ただし、これは資金を調達できる資産がある場合に限られ、実際の価値よりも低い価格になる可能性があることに注意が必要です。例えば、不動産や有価証券を売却した場合には、売却損益に注意する必要がありますし、債権をファクタリング会社に譲渡した場合には、債権の実際の価値よりも低くなってしまう可能性があります。

このように、借入をはじめとする資金調達の方法には様々なものがあり、それぞれにメリット・デメリットがありますので、適切な方法を選択する必要があります。

M&Aの際、会社の借入金や個人保証はどうなるのでしょうか?

株式譲渡では、会社自体の法人格が移転するため、対象会社の借入金は対象会社の負債として引き継がれます。

中小企業が金融機関から借入をする場合、代表株主が個人として保証するのが一般的です。また、代表株主の個人資産(自宅など)を担保とすることも可能です。このような事業負債や個人資産を担保にした連帯保証は、M&Aによる株式譲渡の際に新任の代表取締役に引き継がれます。

ただし、新経営者への身元保証人の譲渡申請は、株式の譲渡と同時に行うことはできません。これは、代表者変更の登録が完了し、新しい登録証を入手できて初めて可能となります。

そのため、株式譲渡後にあらかじめ金融機関と保証解除の交渉を行い、マスター契約や株式譲渡契約を締結する段階で、金融機関から保証解除の条件について内諾を得ておくことが望ましいと考えられます。

このような場合、株式譲渡契約書には、買収会社が保証の解除に協力することや、保証債務の履行に関連する債権者の請求に対して買収会社が責任を負うことなどが規定されていることが多い。2013年12月に発行された「経営者保証に関するガイドライン」の普及により 保証契約が解除されるケースが増えています。

しかし、この手続きは非常に手間がかかるため、一部の企業では、株式譲渡と同時に金融機関に一括して支払いを行うことで、保証を終了させています。一括払いの場合、元本の債務は消滅し、保証債務も消滅します。

借り入れとは直接関係なくても、経営パートナーの個人の保証は、当該会社がビジネスパートナーと個人として締結したビジネスの基本契約を保証していることを忘れがちです。

過去に締結した各種契約書を確認し、経営者パートナーが個人的に保証している基本的な事業契約がないかどうかを確認し、株式の譲渡と同時にすべての保証契約を解約することが重要です。

以上のように、借入を含めた資金調達方法にはそれぞれメリット・デメリットがありますので、自社の現状をよく分析し、適切な方法を選択することが大切です。さらに、M&Aの際には、各マネージングパートナーが行っていた保証を解除しなければなりません。いずれにしても、適切な分析と専門知識を提供できる弁護士、会計士、税理士に相談することをお勧めします。


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